遺品整理の費用相場は?間取り別の目安と、高くならない業者の選び方

いまの段階2. 片付ける(業者に頼むか考える)

この記事の結論

  • 業者7社の公開料金を集計すると、最低料金の目安は1Kで約1.5万〜4.2万円、4LDKで約15万〜27.3万円でした。実際は物の量などで上がります。
  • 費用を左右するのは「間取り」より物の量・処分費・作業条件です。料金に処分費が含まれるかは社によって違います。
  • 高くならないコツは、複数社の見積書を比べることと、ごみを運ぶ一般廃棄物の許可を確かめることです。

今日やること残す物(通帳・書類・写真など)を家族で話し、業者2〜3社に訪問見積もりを申し込む

「遺品整理を業者に頼むと、いったいいくらかかるのか」。初めての人にとって、いちばん気になるのはここではないでしょうか。料金には決まった基準がなく、同じ間取りでも業者によって金額がかなり違います。

この記事では、業者が公開している料金表を当サイトで集計し、間取り別の目安をまとめました。あわせて、見積書の見方や追加料金を防ぐ確認点、トラブルを避けるための業者の選び方を、公的機関の資料をもとに整理します。

遺品整理の費用は、間取り別にどのくらい?

遺品整理とは、亡くなった方の持ち物を、残す物・形見分けする物・売る物・処分する物に分け、家を空にするまでの作業のことです。業者に頼む場合、多くの会社が「間取りごとの料金の目安」を公開しています。

ただし、公開されている金額のほとんどは「◯円〜」という最低料金です。物が多い家や、条件の悪い現場では、これより高くなるのが普通だと考えておきましょう。

当サイトが7社の公開料金を集計(2026年10月確認)

遺品整理業者7社が自社サイトで公開している「間取り別の最低料金(◯円〜)」を集め、間取りごとに最小〜最大の幅と中央値(7社を安い順に並べた真ん中の金額)を出しました。

間取り最低料金の幅(7社)中央値
1K15,000円〜41,800円30,000円
1LDK38,000円〜85,800円70,000円
2LDK42,000円〜162,800円99,000円
3LDK90,000円〜206,800円150,000円
4LDK150,000円〜272,800円200,000円

集計の方法:各社の表のうち、該当する間取りを含む区分の最低料金を使いました(例:「1K〜1DK」の区分は1Kに、「1LDK〜2DK」は1LDKに計上)。「2LDK〜3LDK」「3LDK〜4LDK」のように区分が重なる社は、その間取りが最初に出てくる区分の金額を使っています。税込・税別の表記や、処分費・家電リサイクル料が含まれるかどうかは社によって異なります。金額が「38,000円〜41,800円(税込)」のように併記されている社は税込額を使いました。

出典(各社の料金ページ): 遺品整理ふくろう/ しあわせの遺品整理(株式会社HIKARI)/ 遺品整理プロスタッフ(TKC株式会社)/ 遺品整理・生前整理のライフスタイル(株式会社ASK)/ 株式会社ワンステップサービス/ ココロセイリ/ たての遺品整理

各社が公開している最低料金を並べたもので、実際に支払う金額の平均ではありません。料金は変更されることがあるので、最新の金額は各社にご確認ください。

05万10万15万20万25万30万円 7社の最低料金の幅中央値 1K1LDK2LDK3LDK4LDK 1.5万〜4.2万円(中央値 3万)3.8万〜8.6万円(中央値 7万)4.2万〜16.3万円(中央値 9.9万)9万〜20.7万円(中央値 15万)15万〜27.3万 ※各社の「◯円〜」の最低料金。物の量や条件によって、実際はこれより高くなることが多い
間取り別の最低料金の幅(当サイト集計・7社、2026年10月確認)

集計すると、同じ間取りでも最低料金に2倍以上の差がありました。これは、料金に含まれる作業(処分費、供養、清掃など)が社によって違うためでもあります。金額だけで比べず、「何が含まれているか」をそろえて比べることが大切です。

参考までに、総務省が2020年に公表した調査では、集めた見積書75件のうち「20万円超〜30万円以下」が23件で最も多く、次いで「10万円超〜20万円以下」が19件でした。ただし、統計的に選んだものではないため実績の平均とはみなせない、と報告書自身が断っています。

費用が変わる5つの要因

総務省の調査によると、遺品整理の料金には公的な基準がなく、依頼ごとに個別に決まります。見積もりの出し方も、作業する人数と時間を重視する業者と、物の量(トラックの台数)を重視する業者に分かれます。そのうえで、金額を大きく動かすのは次のような要素です。

  1. 物の量同じ3LDKでも、物が少ない家と天井近くまで積まれた家では、トラックの台数も作業時間も大きく変わります。間取りよりも影響が大きい要素です。
  2. 処分費と家電のリサイクル料処分費が料金に含まれる社と、別に請求する社があります。テレビ・エアコン・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(衣類乾燥機)は家電リサイクル法の対象で、リサイクル料金と収集運搬料金が別にかかります。
  3. 建物と周りの条件階段しかない上の階、トラックを近くに止められない、道が狭いといった条件は、作業時間が延びて料金が上がる原因になります。
  4. オプション作業供養(お焚き上げなど)、ハウスクリーニング、特殊清掃、遺品の配送などは、多くの社で別料金です。
  5. 買取できる物の有無家具・家電・着物・貴金属などを買い取ってもらえると、その分を料金から差し引ける場合があります。買取には古物商の許可が必要です。

このほか、作業日を急ぐ場合や、土日を指定する場合に料金が変わる業者もあります。日程に余裕があるなら、見積もりのときに「日程を相手に合わせたら安くなるか」を聞いてみるのも一つの方法です。

見積書の見方:ここを確認すれば比べられる

総務省の調査では、見積書の様式も業者ごとにばらばらだと指摘されています。そのため、見積書を並べただけでは比べにくいのが実情です。次の項目がそれぞれ書かれているかを確認し、書かれていなければ質問しましょう。

確認する項目見るポイント聞いておきたいこと
作業費人数・時間・作業の範囲仕分け・梱包・搬出のどこまで含むか
処分費料金に含むか、別か量が増えたらいくら上がるか
車両費トラックの大きさと台数駐車場代や交通費は含むか
家電リサイクル料対象の家電の台数リサイクル料金と運搬料金の金額
オプション供養・清掃などの有無頼まなければ0円になるか
買取額差し引く金額の書き方何をいくらで買い取るか
追加料金・解約料条件が書いてあるかどんなときに追加になるか、キャンセル料はいくらか

電話やメールだけの見積もりは、物の量がわからないぶん、当日に金額が変わりやすくなります。できれば家を実際に見てもらう「訪問見積もり」を頼み、内訳の書かれた見積書を紙やPDFで受け取っておきましょう。

追加料金はどんなときに発生する?

追加料金そのものが悪いわけではありません。見積もりのときに見えなかった押し入れの奥の荷物や、当日になって増えた処分品があれば、料金が変わることはあります。問題になるのは、説明のないまま作業後に大きく上乗せされるケースです。

神奈川県の消費生活注意・警戒情報(2025年10月)では、見積もり34万円のところ、作業後にごみ処理などの追加料金12万円を上乗せされた、という相談が紹介されています。事前の説明はなかったといいます。

追加料金を防ぐために

契約前に「どんな場合に、いくら追加になるのか」を書面で確認しておきましょう。作業当日に追加が必要と言われたら、その場で金額を確認し、納得できなければ作業を進める前に止めてもらいます。「見積もり後の追加料金はない」と書いている業者でも、対象外の項目(家電リサイクル料など)がないかは確認が必要です。

業者選びで必ず確認したい「許可」

遺品整理で出る不用品は、家庭から出る「一般廃棄物」です。これを仕事として集めて運べるのは、市区町村から委託を受けた業者か、市区町村長から一般廃棄物処理業(収集運搬)の許可を受けた業者に限られます。

環境省は、許可のない回収業者に廃棄物の処分を頼まないよう呼びかけています。「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」を持っていても、家庭の廃棄物は回収できません。自治体の中には「遺品整理士の資格では家庭の廃棄物は回収できない」と明記して注意を促しているところもあります。

業者に頼みたいことは? 不用品を処分してもらう 一般廃棄物処理業(収集運搬)の許可 または市区町村の委託があるか 物を買い取ってもらう 古物商の許可があるか (許可証の提示を求めて確認) 許可がない業者に処分を頼むと、不法投棄などにつながるおそれ わからないときは、実家のある市区町村の窓口で確認できます
業者に確認したい許可(環境省・国民生活センターの資料をもとに作成)

許可を持たない遺品整理業者でも、許可を持つ業者と組んで処分を任せる形で仕事をしていることがあります。総務省の調査では、聞き取りをした69社のうち35社が一般廃棄物収集運搬業の許可を持っていませんでした。その場合は「処分は誰が、どこに運ぶのか」を確認しておきましょう。

許可は市区町村ごとに出るため、実家のある市区町村の許可かどうかが大切です。多くの自治体は許可業者の一覧をホームページで公開しているので、業者名で探してみてください。

国民生活センターに寄せられたトラブル事例

遺品整理をめぐる相談は、全国の消費生活センターにも寄せられています。国民生活センターによると、遺品整理サービスに関する相談は2013年度の73件から、2017年度には105件に増えていました。

755件遺品整理に関する相談の登録件数(2008年度〜2018年5月末、総務省調査より)
35社聞き取りした69社のうち、一般廃棄物収集運搬業の許可がない事業者
2倍作業時に予定外の料金を求められ、見積額の2倍を請求された事例(国民生活センター)

国民生活センターが公表している事例には、次のようなものがあります。

よくあるトラブル事例の内容防ぐための確認
契約をせかされる見積もりの場でせかされて契約したが、作業が始まらないその場で決めず、複数社を比べる
高額なキャンセル料解約を申し出たら、高いキャンセル料を求められた契約前に解約料を確認する
見積もりより高い請求電話で約20万円と聞いたが、作業後に30万円を請求された(見積書なし)内訳のある見積書を必ず受け取る
大事な物を処分された残すと約束した書類のほか、アルバムなども処分され、取り戻せなかった残す物を分け、できるだけ立ち会う

困ったときは、一人で抱え込まずに消費生活センターに相談できます。番号がわからない場合は、消費者ホットライン「188(いやや)」に電話すると、近くの相談窓口につながります。

高くならない業者の選び方と、頼む前の準備

国民生活センターなどの助言をもとに、費用とトラブルの両方を抑えるための進め方をまとめました。

1. 残す物を先に分ける

通帳・権利証・保険証券・写真など、残す物を家族で取り分けておきます。業者に任せる量が減れば、費用も下がりやすくなります。

ポイント残す物は別の部屋や箱にまとめておく

2. 2〜3社の訪問見積もりを比べる

同じ条件で見積もりを取り、作業範囲・処分費・追加料金の条件をそろえて比べます。安さだけで選ばないことが大切です。

ポイントその場での契約は避け、持ち帰って考える

3. 許可と契約内容を確かめる

処分を頼むなら一般廃棄物の許可(または委託)、買取なら古物商の許可を確認します。作業日・料金・支払方法・解約料も書面で確認します。

ポイント作業の日はできるだけ立ち会う

自分たちでできる部分を増やすのも、費用を抑える方法です。衣類や本、食器などを自治体のごみ収集に少しずつ出しておけば、業者に頼む量を減らせます。売れる物の見分け方は、関連記事「片付けで売れる物」で紹介しています。

また、片付けが終わった後に家を売るのか、解体するのかによって、どこまで片付けるべきかも変わります。家の今後がまだ決まっていない場合は「実家は売る?貸す?解体する?残す?」もあわせて読んでみてください。

よくある質問

一軒家の遺品整理は、いくらくらいかかりますか?

当サイトが集計した7社の公開料金では、4LDKの最低料金は15万〜27.3万円でした。一軒家は物置や庭の物、物の量が多いことも多く、これより高くなることがよくあります。訪問見積もりで正確な金額を確認してください。

見積もりは無料ですか?

見積もり無料をうたう業者は多いですが、出張費などの扱いは社によって違います。申し込むときに、見積もりに費用がかかるか、見積もり後に断ってもよいかを確認しておきましょう。

遺品整理士がいる業者なら安心ですか?

遺品整理士は民間の資格で、ごみを回収するための許可ではありません。家庭の廃棄物を運べるのは、市区町村の委託業者か一般廃棄物処理業の許可を持つ業者です。資格とは別に、許可を確認してください。

遠方に住んでいて立ち会えません。

立ち会えない場合は、残す物を事前に分けて指示を書面で渡す、作業前後の写真を送ってもらうなど、行き違いを防ぐ工夫をしましょう。国民生活センターは、できるだけ立ち会うことをすすめています。

作業後に高い追加料金を請求されたら?

見積書と契約書の内容を確認し、説明のなかった請求であれば、支払う前に業者に根拠を確かめましょう。話がまとまらないときは、消費者ホットライン188で消費生活センターに相談できます。

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