実家の片付けは何から?自分でやる手順と、つまずかないコツ

いまの段階2. 片付ける(自分たちで進める)

この記事の結論

  • 片付けは「貴重品・書類 → 思い出の品 → 日用品 → 大型家具・家電」の順に進めると、大事なものを捨てる失敗を防げます。
  • ごみの出し方は実家のある市区町村のルールに従います。エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクル法の対象で、粗大ごみとは別の出し方です。
  • 一番つまずきやすいのは家族間の行き違いです。作業を始める前に「捨てる前に声をかける」などのルールを決めておきましょう。

今日やること実家のある市区町村のホームページで、ごみの分け方と粗大ごみの申込方法を調べる

久しぶりに実家に入ると、押し入れも物置も物でいっぱい。どこから手をつければいいのか分からず、ため息だけついて帰ってきた、という人は少なくありません。

片付けは、順番さえ決めれば必ず進みます。この記事では、自分たちで実家を片付けるときの手順と、途中でつまずかないためのコツを整理します。

片付けを始める前に確認すること

いきなり袋を持って捨て始めるのは、実は一番の失敗のもとです。作業を始める前に、次の3つを確認しておきましょう。

  1. 家の持ち主と、家族の了解親が健在なら、家も物も親のものです。親の了解を得て、できれば一緒に進めます。兄弟姉妹にも、片付けを始めることを伝えておきます。
  2. 親が亡くなっている場合は相続の状況相続放棄を考えている場合は特に注意が必要です。家庭裁判所の案内では、遺産の一部を処分すると相続を承認したものとみなされ、相続放棄が認められないことがあるとされています。迷うときは、片付けの前に専門家に相談しましょう。
  3. ごみの出し方のルールごみの分け方、収集日、粗大ごみの申込方法は市区町村ごとに違います。実家のある市区町村のホームページや、ごみの分け方の冊子で確認します。

用意しておくと作業が進む道具

道具使い道
軍手・マスク・動きやすい服ほこりやカビの多い押し入れ・物置の作業に。長く閉めていた家ほど必要です
自治体指定のごみ袋市区町村によっては指定袋でないと収集されません。多めに用意します
段ボール箱・油性ペン「残す」「売る」「保留」などの仕分け用。箱に中身と日付を書いておきます
スマートフォン思い出の品を写真に撮って家族に共有したり、見つけた物の記録を残したりします

電気や水道を止めている場合は、作業の日だけでも使えるようにしておくと安心です。照明や掃除機が使えないと、作業がはかどりません。親が施設に入って空き家になっている場合の準備は、「親が施設に入ったら実家はどうする?最初の1か月でやること」で説明しています。

片付けの順番は4ステップ

片付けの基本は、「失うと困るもの」から先に取り分け、「量が多くて判断が楽なもの」を後に回すことです。大型家具を先に動かしたくなりますが、引き出しの中に通帳や書類が残っていることがよくあります。

1貴重品・書類通帳・印鑑権利証・保険証券現金・貴金属 2思い出の品写真・手紙アルバム・作品形見になる物 3日用品・衣類食器・衣類本・雑貨食品・消耗品 4大型家具・家電たんす・ベッド冷蔵庫・洗濯機エアコン・テレビ 「失うと困るもの」から先に。大型の物は中身を確認してから最後に動かす
実家の片付けの順番(一般的な進め方)

ステップ1:貴重品・書類を探して取り分ける

最初にやるのは「捨てる」ではなく「探す」です。通帳、印鑑、権利証(登記識別情報)、保険の証券、年金の書類、固定資産税の通知書などを探して、1つの箱にまとめます。

現金や貴金属は、たんすの引き出し、仏壇、本の間、衣類のポケットなど、思わぬ場所から出てくることがあります。見つけたものは記録し、家族に共有してから保管しましょう。

ステップ2:思い出の品を家族で分ける

写真、手紙、子どもの頃の作品などは、判断に時間がかかります。その場で決めようとせず、まず1か所に集めておき、家族がそろう日に分けるのが進めやすい方法です。

量が多い場合は、写真に撮って残してから手放す方法もあります。自分には不要でも、兄弟姉妹にとっては大切なものがあるので、処分の前に必ず声をかけましょう。

ステップ3:日用品・衣類を仕分ける

ここからは量との勝負です。食器、衣類、本、雑貨などを、次の図のように「残す・売る・譲る・処分する・保留」に分けていきます。冷蔵庫の中の食品など、傷むものは早めに片付けます。

ステップ4:大型家具・家電を出す

たんすやベッド、家電は最後に回します。中身を全部出して空になったことを確認してから、運び出しや処分の手配をします。出し方は後の章で説明します。

迷わない仕分けの5分類

仕分けで手が止まる一番の原因は、「どうしよう」と1つずつ悩むことです。あらかじめ箱や袋を5つ用意し、迷ったら「保留」に入れて先に進みましょう。

手に取った物 残す貴重品・書類形見・写真使う予定の物 売る貴金属・着物骨董・ブランド品新しめの家電 譲る家族・親戚知人が使いたい物 処分する自治体のルールで出す家電4品目は別 保留迷った物はここへ入れて後で家族と決める
仕分けの5分類(迷ったら「保留」へ)

「売る」に入れる物の見分け方は、「実家の片付けで売れるもの・売れないものの見分け方」で詳しくまとめています。保留の箱は、作業の最後にまとめて家族で見直します。

部屋ごとの進め方とコツ

家全体を一度に片付けようとすると、どこも中途半端になります。「今日はこの部屋だけ」と範囲を決めて、1部屋ずつ終わらせていくのが続けるコツです。

場所よく出てくる物進め方のコツ
寝室・和室通帳、印鑑、貴金属、着物、衣類貴重品が見つかりやすい場所なので、最初に取りかかります。たんすは引き出しを1段ずつ確認します
居間書類、手紙、写真、薬郵便物や書類の山は捨てずに箱へまとめ、後で中身を確認します
台所食品、食器、調理器具傷む食品と冷蔵庫の中を先に片付けます。食器は量が多いので「残す分」だけ選びます
押し入れ・納戸布団、季節用品、思い出の品奥から古い物が出てくるので、時間に余裕のある日に回します
物置・庭工具、園芸用品、古い家電スプレー缶や塗料などは出し方が決まっていることが多いので、市区町村のルールを確認します

動線を確保するため、玄関から近い部屋を早めに空けておくと、大きな物を運び出すときに楽になります。作業中に出たごみの置き場所も、最初に決めておきましょう。

ごみの出し方は自治体のルールに従う

片付けで出るごみは、家庭ごみとして実家のある市区町村のルールで出すのが基本です。分け方や収集日、1回に出せる量は市区町村によって違います。

粗大ごみ

家具や布団など、大きなごみは「粗大ごみ」として出すのが一般的です。申込方法、手数料、どの大きさから粗大ごみになるかは市区町村ごとに決まっています。収集まで日数がかかることもあるので、片付けの日程が決まったら早めに申し込みましょう。

粗大ごみを出す前には、引き出しや扉の中が空になっているかをもう一度確かめます。たんすの裏や引き出しの奥に、封筒や書類が貼りついていることがあるためです。出す物は写真に撮っておくと、家族への報告にも使えます。

家電リサイクル法の4品目

エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は、家電リサイクル法の対象です。粗大ごみとしては出せず、家電の小売店などに引き取ってもらい、メーカーがリサイクルします。

項目内容
対象の品目エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機
引き取り先小売店には、自分の店で売った物や、買い替えのときの古い物を引き取る義務があります
かかる費用引き渡すときに、リサイクル料金と収集運搬料金を支払います
確認の方法料金を払うと「家電リサイクル券」が発行され、その番号で引き渡されたかを確認できます

購入した店が分からない場合などは、市区町村に出し方を問い合わせましょう。また、パソコンはメーカーによる回収や、小型家電リサイクル法にもとづく回収を利用できます(経済産業省)。まだ使える家電は、古物商の許可を持つリユースショップなどに買取を頼む方法もあります。

注意:「無料で回収します」の業者に気をつける

環境省は、無許可の回収業者を利用しないよう呼びかけています。家庭のごみを回収できるのは、市区町村の「一般廃棄物処理業の許可」を持つ業者か、市区町村から委託を受けた業者だけです。「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」だけでは家庭ごみを回収できません。無許可の業者による不法投棄や、高額な料金請求の事例も報告されています。

作業日数の考え方

「何日で終わりますか」とよく聞かれますが、家の広さ、物の量、作業する人数、通える頻度によって大きく変わるため、一律の目安はありません。大切なのは、日数を当てることよりも、無理のない計画を立てることです。

1日でやる量を決める

「今日は寝室のたんすだけ」のように、範囲で区切ります。1日目にかかった時間を見ると、全体の見通しが立ちやすくなります。

コツ最初の1部屋の時間を記録する

収集日から逆算する

ごみは収集日にしか出せず、粗大ごみは予約が必要です。収集日に合わせて作業日を組むと、家にごみがたまりません。

コツ作業日の前に収集日を調べる

期限がある場合は先に確認

賃貸住宅の退去日や家の売却の予定がある場合は、その日までに終わるかを早めに考えます。間に合わない場合は業者への依頼も検討します。

コツ締め切りを家族で共有する

遠方に住んでいて帰省のときしか作業できない場合は、「1回の帰省で1部屋」のように決めると続けやすくなります。量が多すぎる、体力的に難しいと感じたら、片付けや遺品整理の業者に一部だけ頼むのも一つの方法です。

家族でもめないための4つのルール

実家の片付けでは、作業そのものより「誰かが勝手に捨てた」「誰かだけが持っていった」という行き違いで関係がこじれることがあります。作業を始める前に、次のルールを決めて共有しておきましょう。

  1. 思い出の品は、捨てる前に声をかける写真をグループのメッセージで送り、「◯日までに返事がなければ処分」と期限を決めると進みます。
  2. 見つけた貴重品は記録して共有する現金や貴金属、通帳は、見つけた日と場所をメモして全員に伝えます。親が亡くなっている場合は、遺産として扱うことになります。
  3. 売ったお金・かかった費用を記録する買取で得たお金、ごみの手数料、交通費などを、誰がいくら出したか記録しておきます。
  4. 作業に来られない人の役割も決める遠方の家族は、業者や自治体への問い合わせ、費用の負担など、別の形で関わってもらうと不公平感が減ります。

よくある質問

親が元気なうちに片付けを始めてもいいですか?

親の了解があれば、元気なうちに一緒に始めるのが理想的です。物の持ち主は親なので、本人に「残したい物」を聞きながら進めましょう。少しずつ進めておくと、後の負担がかなり減ります。

親が亡くなって、相続放棄を考えています。片付けてもいいですか?

注意が必要です。家庭裁判所の案内では、遺産の一部を処分すると相続を承認したものとみなされ、相続放棄が認められないことがあるとされています。何をしてよいかはケースによるので、片付けの前に司法書士・弁護士などに相談してください。

冷蔵庫やテレビは粗大ごみで出せますか?

エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象なので、粗大ごみでは出せません。小売店などに引き取ってもらい、リサイクル料金と収集運搬料金を支払います。購入店が分からない場合は市区町村に問い合わせましょう。

ごみが多すぎて、収集日だけでは出しきれません。

市区町村によっては、ごみ処理施設に自分で持ち込める場合があります。持ち込みの可否や手数料は市区町村ごとに違うので、ホームページなどで確認してください。業者に頼む場合は、市区町村の許可や委託を受けた業者かを確かめましょう。

どうしても捨てられない物があります。

無理に決めなくて大丈夫です。「保留」の箱に入れて、期限を決めて後で見直しましょう。時間をおくと、気持ちの整理がつくこともあります。

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